こどもの目

こんにちは!

今日はちょっとした詩を紹介してみたいと思います。

 

こどもの目

いつも真正面から、真直ぐに相手を見る目。

いつもあからさまに自分をさらけ出して、

心の隅まで隠すところのない目。

いつも一ぱいに見開いて、

しっかり物そのものを見詰める目。

いつも新鮮さに冴えて興味の心に輝く目。

いつも柔らかいなつかし味を湛えている目。

人の心の明るさを受けて明るく、

自らもまた容易に、

                     相手の心の目の中に溶けてゆこうとする目。

それよりもなお、

なんという清さに澄んでいることぞ。

曇りもなく、濁りもなく、

たとえばこの頃の澄んだ空の清さを、

そのまま人界に落とし来たったような目。

それが、こどもの目である。

 

 

 

 

 

倉橋惣三の 「育ての心」 フレーベル新書 1976年 より